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ヒラマとアッポ

私が「排泄ケア」を考えるとき、必ず頭に浮かぶある一人のおばあちゃんの話です。

以前勤めていた特別養護老人ホームでのことでかれこれ7年前の話になります。
ミヨさん(仮名)
なんと御年103歳。
驚きもありながらの初顔合わせ。
当時、介護経験3年程度の私は90度に頭を下げるのが精いっぱい。
なにせ、100年も生きておられますので。
そしたら、ミヨさん(仮名)「ウーウー…」とうなり声のような答えが返ってきます。
家族からは「病院にいることが多くなってから会話もままならない」とのこと。
確かに病院から事前にもらっていた情報には「うなり声が多いです」と書かれていたような。
「何か言いたいことがあるんだろうな」
「なんかあるはずだ」
そんな思いの中、ミヨさん(仮名)との関わりが始まり、病院からの情報があまり当てにならないことに気づかされる。

食事:病院からは「食事は刻み食・水分にはトロミ。時折手が止まるのでその都度介助してあげてください」と書かれており、その通りにしようと思ったけど…。
「ミヨさん(仮名)の好きな食べ物は??」
「イモ」
(ものすごいパサパサしてるやつ)とりあえず、栄養科と看護師に依頼して提供。
「ウマイ」(すごい勢いで完食)

入浴:大腿部の骨折があったので注意・毎日清拭。
と書かれてあったが、いざ入浴日に浴室へ案内すると個浴を指さす。
「待ってました」とばかりに個浴で入浴。
自分で体を洗い、顔を拭き、風呂では目を閉じ「フー」と一声。

御年103歳。
すごく普通。
むしろすごい…。

僕はいつのまにかミヨさん(仮名)にハマっていった。

続く…

排泄ケアのこと

(相談スタッフ)

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