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食べるということ

 

 

 母が一口ごとに箸を置くようになりました。どうしたのかと尋ねたところ、「箸を置けば次から次へと続けて口に入れることがなくなるから。食べ物を噛む回数も増えるから。」と答えました。

彼女は私の妹とそのご主人とともに住んでいますが、二人とも就業しており、帰りも遅いようです。また、とてもアクティブな2人なので休日も留守にすることも多いです。

母自身も体操教室に通ったり、日帰り温泉へとタクシーを飛ばしたりしていましたがコロナ禍で体操教室もしばらく開催を休んでいました。私たちも訪問を控えていたことで、会話の機会が減り一人での食事が増えました。

母はもともとのどが弱く、早食いでムセやすい人で私からも嚥下体操を伝え実施していましたが、早食いは続き、時々ムセる姿がみられていました。会話の機会が減ったことでますますのどが弱くなったと考えられます。

だから、掻き込まないように、よく噛んで食べるように、食べすぎないように一口ごとに箸をおくことにしたのだと言っていました。

急いで食べて誤嚥してしまうと食べたいものを、食べたい形で食べることができなくなる可能性があります。肺炎を起こせば長い入院生活を送る可能性もあるでしょう。

そうならないように母は箸をおきます。一人で食事をしていても詰まらせたりする心配がないように。ずっと、好きなものを自分の食べたいように食べるために。

さて、皆さんに、箸をおいて食べるように勧めるわけではありません。母は気をもむ気持ちが勝る人だからそうしているわけで、普通であればゆっくりとよく噛んで食べましょう、というだけのことなのです。

新米のおいしい季節です。お米はよく噛めば噛むほど甘味が増します。噛む回数が増えれば満腹感も増して食べすぎも防ぐことができます。

食欲の秋、食べ物のおいしさをかみしめて、一層、おいしく食事をとりましょう。

好きな食べ物をずっと食べていけるように。

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 (連携室スタッフ)

 

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