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高齢者が夏なのに寒がる理由は?

※高齢の家族が夏なのに暑くないからとエアコンをつけてくれない。

※真夏でも寒いからと厚着したがる。

という経験はありませんか?

当施設でもエアコンの風が来ると寒いと訴えたり、厚着をしているご利用者が大勢いらっしゃいます。なぜ、高齢者は夏なのに寒がるのでしょうか?

 

①体温調節機能の低下

加齢に伴い皮膚感覚が低下し、外から加わる刺激に対する反応が鈍くなります。その為、暑さ・寒さを感じにくくなり、環境への適応力が低下します。また、体温調節中枢の機能も低下するため、発汗を促すべき自律神経への指令が遅れることがあります。

 

②筋肉量の低下

筋肉は熱を生み出し、体温を調節する役割も担っている為、筋力が落ちることにより基礎代謝量が低下し、体温を調節しにくくなります。

 

③自律神経の働きの低下

加齢や認知症の進行により、自律神経の働きが鈍くなることがあります。自律神経は体温調節をはじめ様々な働きをしている為、機能の低下により寒さを感じやすくなります。

 

④見当識障害・判断力の低下

認知症の進行により、見当識障害や判断力障害が起こり、暑さや寒さに対して正しい判断ができなくなることがあります。

➡これらの原因から気温や湿度の変化に気づかず、脱水症状や熱中症を引き起こす可能性があるので対応が必要です。対策として………

・気温を確認できるように温度計や湿度計を置く。

・喉の渇きや暑さを感じないことで水分補給が疎かになる為、こまめに水分や塩分を補給してもらえるように声かけをする。

・エアコンの風が直接当たらないように調節をする。

・熱がこもらない、薄手でゆったりとした衣類を選ぶようにする。

・軽めの運動をすることによって自律神経の働きを活発にし発汗を促したり、筋力予防につなげる。

 

高齢者が夏でも寒さを感じる理由には、体の変化が大きく影響しています。家族や介護者が一方的に水分摂取させる、服装を指定するなどすると、高齢者にストレスを与えたり、プライドを傷つけたりしてしまうので注意しましょう。

(看護スタッフ)

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