酷暑が続きますが、皆さんは熱中症対策としてどの様なことをされていますか?最近はハンディファン・ネッククーラー・冷感タオルなどの様々な冷却グッズが販売されていますね。
昔から身体を冷やすには大きな血管が通っている頚部(首)、腋窩(脇)、鼠径(足の付け根)を冷やすように言われてきましたが、その他に今注目されている部位があります。
それは、「AVA血管(動静脈吻合:Arteriovenous Anastomosis)」です。AVA血管は、末梢の毛細血管網を迂回して動脈と静脈を直接つなぐ短絡路で特に手掌、足底、顔面、耳たぶなどにあります。この血管は、交感神経によって制御されており、寒冷や熱などの外部刺激に応じて開閉します。寒い環境下ではAVA血管は閉じて熱の放散を防ぎ、温かい環境では開いて体内の熱を外へ逃がします。末梢のAVA血管部位を冷やすことで、比較的短時間で全身の深部体温を下げる効果が期待できます。
<AVA血管の冷やし方>
- 冷水に浸す: 洗面器やバケツに10~15℃ほどの冷水を用意し、5~10分程度手のひらや足の裏全体を浸します。
- 冷却ジェルパック: 市販の冷却パックや氷枕・氷嚢をタオルで包み、手のひらに当てます。長時間当てすぎないように注意。
- 冷たいタオル: 冷水で濡らしたタオルを軽く絞って手のひらを包み込む。顔や耳、首筋に当てる。
- 冷却シート: 使い捨ての冷却シートを足の裏に貼る。
- ペットボトル・缶飲料:冷えたペットボトルや缶を握る。
<冷却時の注意点>
- あまりに冷たすぎるものは拡張していた血管が逆に収縮し熱を発散しにくくなるため、10~15℃程度が目安です。
- 凍傷や低温やけどを避けるため、冷却時間は5~10分程度からスタートし、様子を見ながら延長します。
- 糖尿病や末梢循環障害、皮膚疾患のある場合は医療従事者に相談してください。
- 冷却後は皮膚の状態や感覚異常の有無を必ず確認しましょう。
最後に、熱中症対策としては冷却するだけではなく水分・塩分補給、バランスの良い食事やしっかりとした睡眠をとること等も併せて行いましょう。そして、実際に熱中症に なってしまい意識がない場合は救急車を呼びましょう。
(看護スタッフ)